奨学金返済難民のための基礎知識

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奨学金問題 猶予制度 その2

 (その1からの続き)

【猶予は自分には無関係?】

ところで、「奨学金を返しているけど、自分には猶予は無関係だ」。そう思っている人はいませんか?

 

その考え、要注意!である。

 

人は誰しも家計が急変する可能性がある。不安定な雇用条件が増えている現代社会ではなおさら安定した生活をしている社会人は少ないだろう。

 

「今月はピンチ、返済が出来ないかもしれないけど、まあ大丈夫か。無いものは無いんだし、仕方ない」。こうした油断は危険だ。返済が三ヶ月滞ると、いわゆる「ブラックリスト」に名前が乗せられる。そうするとクレジットカードが使えなくなり、生活が不便になる。しかも一度「ブラックリスト」に登録されると、消えるまで数年の時間が必要だ。

 

「あれ、いつの間にか滞納していた。こんなはずではなかったのに」。返済が滞ってしまうと、救済手段が限られてしまう場合がある。返済の仕方を一つ間違うと、緩やかに延滞状態へと陥ってしまうのだ。

それゆえ、返すだけの経済的余裕のある人も、油断大敵だ。気がつくと延滞金がついていて、返済が困難になるかもしれない。

 

例えば、こんな場合、生活に余裕のある人でも延滞をする場合がある。

 

【変更の届け出は忘れずに!】

 

まず、奨学金を返済するとき、毎月必要な金額が銀行口座から引き落とされる。

その口座は卒業と同時に作ることが義務づけられていて、リレー口座と呼ばれる。リレー口座には学生時代に奨学金を振り込んでもらっていた口座をそのまま使う事が出来る。

 

学生時代に使っていた口座を使える事は便利だ。わざわざ新しく口座を作らないでいいので、学生からすると手続きの手間が省けてありがたい制度だ。しかし、実はこのことが延滞の原因になる場合がある。

 

例えば、会社の給料の振込口座が、学生時代に使っていた口座と違うものを指定される場合がある。会社がどこの銀行を使って給料を振り込んでいるのか、入社した後に初めて知る人も多いだろう。口座が複数に分けられてしまうとリレー口座の管理が疎かになり、お金が無くなった事に気づかずに過ごしてしまう場合があるのだ。

 

幸い(?)、返済が滞ると即座に督促の通知が届くので、延滞が慢性化する事は少ないかもしれない。しかし、万が一督促に気がつかなかったら?住所や携帯番号を変更した事を支援機構に届け出るのを忘れていたら?

本人が気がつかないまま延滞する事になる。生活に余裕がある人といえども、要注意である。

 

延滞者が増えていることは所得が低い人だけの問題ではない。余裕のある人でもちょっとした事で延滞してしまう可能性があるのだ。日本の奨学金は単なる学生ローンであるという認識を持って、一人一人が返済と上手く付き合う方法を身につけるべきだと思う。

 

そうした知恵をこのブログで発信していけたらいいなと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。