奨学金返済難民のための基礎知識

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奨学金問題 延滞金について その1

今、奨学金が問題になっている。

 

2012年2月19日付けの朝日新聞によると、日本学生支援機構(以下、支援機構)が奨学金返済を求めて起こした訴訟の件数は2006年から2010年で約9倍に増加している事が明らかになった。返済が滞り、訴訟を起こされるケースが増えている。

どんな人が返済を滞納しているのか。

支援機構の調査によると奨学金を三ヶ月以上滞納する人の約8割が年収300万円以下だ。返したくても返す余裕の無い人が一括返済を求め支援機構に訴えられるケースが増加しているのだ。

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このブログの読者には、今まさしく奨学金を返済している人もいるだろう。その中には、延滞金がついて訴訟寸前の人もいるかもしれない。延滞金がつくとどんなデメリットがあるのだろうか。また、延滞を避ける方法は無いのだろうか。

 

実は、延滞金は奨学金の問題をこじらせている大きな原因の一つだ。延滞金の理解を無くして奨学金問題の理解は無いと言えるだろう。

 

言葉を変えて繰り返すが、

 

延滞金を正しく理解する事が奨学金返済難民や奨学金マニアにとって必要不可欠になっている。

 

今日は延滞金について取り上げる。

 

【延滞金ってどーゆーもの?】

 

延滞金はその名の通り、延滞した人に対して課されるペナルティだ。

滞納分の金額に対して年率10%(まれに5%)のペナルティが発生する。

 

このペナルティは第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)とで課されるタイミングが異なることに注意が必要だ。

 

(支援機構HPをリンクしておく。延滞についての取り扱いがここに書かれている。http://www.jasso.go.jp/henkan/entai/index.html

 

延滞金は、

・第一種奨学金⇒約束の返還期日から6ヶ月過ぎたとき(平成17年度以前に借りた人)

       ⇒約束の返還期日の翌日から(平成17年度以降に借りた人)

・第二種奨学金⇒約束の返還期日の翌日から

 

から、延滞金が発生するようになっている。

 

2005年度以降に借りた人は要注意だ。返還期日を過ぎると容赦なく延滞金が課されてしまう。

 

延滞金が5%というケースは平成17年度以前に借りた人の場合に限る。

 

第一種奨学金
≪無利息≫
約束の返還期日を6ヶ月過ぎるごとに、延滞している割賦金の額に対し、5%の延滞金が課されます。なお、平成17年4月以降に奨学生として採用された人は、延滞している割賦金の額に対し、年(365日)あたり10%の割合で返還期日の翌日から延滞している日数に応じて延滞金が課されます。
第二種奨学金
≪利息付き≫
約束の返還期日を過ぎると、延滞している割賦金(利息を除く。)の額に対し、年(365日)あたり10%の割合で返還期日の翌日から延滞している日数に応じて延滞金が課されます。

 

 

「なんだ、たった年率10%か。それならすこし我慢すれば支払える程度だろう。こんなことで読者を怯えさせるような記事を書いて、なんて不埒な奴だ。」

こうした指摘が聞こえてきそうだ。

 

 私も奨学金について調べ始めたとき、延滞金の存在にはなんの注意も払っていなかった。しかし、奨学金問題の奥底では延滞金の病巣が深く根を張っていた事に後に気がついた。

 

(その2に続く)