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滞納33万人・滞納額925億円、奨学金の現実

奨学金返済難民御一行様

 

いつもお世話になっています。

先日、TBSが奨学金問題に関する番組を放送しました。反響もかなり大きかったようです。ご覧になっていない方がいらっしゃれば、下のリンクからも見れますのでご覧ください。

 

少し前までは奨学金の滞納問題というのは「ごく一部」の人の問題でしたが、今ではほとんどの学生や返済者が共通に抱える問題になっています。

 

例えば、2013年8月に文部科学省がまとめた「学生の経済的支援のあり方に関する検討会 中間まとめ」の中では、

『新卒者・既卒者とも、雇用慣行、産業構造・労働市場の変化により、なお厳しい就職状況か続いており、15~34 歳のうち、非正規雇用か 416 万人 (約 26%)に達している。加えて、高等教育機関を卒業した 30 代から 50 代の者のうち、約3分の1が年収 300 万円以下にととまっているなど、卒業後に厳しい経済状況に置かれているのか現状である。 』

とあります。

 

若者の約三割が非正規雇用で、働き盛りの大卒者の約三分の一が年収300万円以下であると言う社会状況の中で文部科学省も制度見直しに向けて重い腰を上げつつあります。

それはまさに、返済困難がもはや特殊ではなく、当たり前であるという認識からです。

 

奨学金を借りざるを得ない人が増えたのは、高卒求人の低下という学生の努力で回避できる範囲を大きく超えた社会経済的な背景に問題があります。

そして、奨学金の返済が困難に陥らざるを得ないのは、終身雇用・年功賃金・企業福祉を兼ね備えた日本型雇用の崩壊、労働条件の悪化、経済のグローバル化、学費の値上げという学生の努力で回避できる範囲を大きく超えた社会経済的に背景に問題があります。

また、奨学金を借りることは本人の選択である前に、私的負担が当然視されている日本社会では、親に学費を負担できる能力があるかどうかが大きな要因です。

親に学費負担能力があれば、奨学金を借りずに済み、無ければ①奨学金を借りるか、②他の施策を利用するか、③自分で稼ぐか、あるいは①、②、③の組み合わせにするかの四つしか選択しが無くなります。

親にお金があるかどうかは本人の努力ではどうしようも出来ません。なので、奨学金を利用することにおいては、すべてを学生本人の責任にすることは無理があるでしょう。

 

いま、苦しい思いをして返済をしている奨学金返済難民のみなさんには、たまに愚痴を漏らしつつ、無理の無い暮らし方をして欲しいと思います。

どうしても返済が無理なら自己破産をするもの有力な選択肢です。奨学金の返済によって残りの人生を潰すなんて言うおかしな状況になる前に、無理なものは無理と認めていきましょう。

 

 

 


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