奨学金問題 免除制度について その3
(その2からの続き)
次に「⑶特に優れた業績による返還免除」だ。
この免除は少し複雑だ。
対象者は大学院生で、第一種奨学金を借りた人だけである。
そして、2004年度以降に入学した人か、2004年度以前に入学した人かで、免除のされ方が違う。
では、2004年度以降に大学院生になった人はどういう免除がされるのか。
おおざっぱに言えば、研究や修論での実績を大学から推薦してもらい、支援機構に設置された免除認定委員会の審査を通った人が第一種奨学金のみ一部か全額を免除される。
第二種奨学金は免除の対象にならない。
詳細はこちら
http://www.jasso.go.jp/saiyou/shinmenjyo/index.html
平成23年度は推薦された人は100%、免除が認められているようです。
http://www.jasso.go.jp/saiyou/shinmenjyo/gaiyou21.html
2004年以前に大学院生になった人はどういう免除がされるのか。
それは、「政令に定められた教育または研究の職(以下、免除職)に、所定の期限内に就職して、所定の期間在職し、所定の手続きをする」ことで免除が受けられる。
詳細はこちらから
http://www.jasso.go.jp/menjyo/tebiki.html
この場合も、第二種奨学金は免除の対象にならない。
ところで、昔の奨学金には「教師になれば返済を免除される」という決まりがあった。実はその制度は平成11年度に廃止されている。しかしこれはあまり知られていない。この15年間で無利子奨学金よりも有利子奨学金が圧倒的に増えた事も多くの人は知らないだろう。
今と昔では奨学金の返済についての常識がまるで違うのだ。そのことを冷静に受け止め、一人ひとりが正しい知識を持って返済に立ち向かうしかない。
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コラム
【奨学金と言えば、無利子奨学金から有利子奨学金へ!】
昭和59年、有利子奨学金創設
この頃は無利子奨学金が主流
平成11年度、旧育英会(現日本学生支援機構)有利子奨学金の拡大を決定(きぼう21プラン)
その結果、有利子奨学金が主流に
・有利子奨学金の額
平成10年度には650億円 → 平成24年度には8496億円(約12倍)
・無利子奨学金
平成10年度には2005億円 → 平成24年度には2767億円(約1.4倍)
本来、奨学金とは給付型の事を指す。日本の「奨学金」は実は奨学金とは呼べない。OECDが行なう高等教育の国際比較調査では、日本の「奨学金」は学生ローン(student loan)はっきり明記されている。外国だけでなく、日本の学生や返済者も「奨学金」は学生ローンだとはっきり認識し、返済をするために必要な知識を身につける必要がある。
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