奨学金返済難民のための基礎知識

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奨学金問題 延滞金について その2

 

(その1からの続き)

 

奨学金の延滞金は大した問題じゃない。

そうした思いはたちまちに大きく裏切られた。

 

延滞金がつくケースでは、こういう事があり得るのだ。

すこし長い例だが、お付き合い願いたい。

 

ちなみに、この事例は私がありそうなケースを想像して書いたものであり、特定のケースを紹介したものではない。しかし、100%妄想の話ではなく、こういう事が実際に起こり得るのだ。

 

「 高校時代、奨学金は親が手続きをして借りていた(高校時に借りる場合は学生本人が面接をしない場合がある。)。そのことは大人になるまで知らなかった。知っていたとしても、親が借りたのだから親が返しているんだろうと思っていたと思う。しかし、どうやら私の名前で借りられていたらしい。

ある時支援機構から突然督促の通知が来て驚いた。通知から察するに、親も生活が苦しくて随分前から返済が止まっていたようだ。私は支援機構に借りた覚えが無い事を相談し、支払いを免除してもらおうと掛け合ったが断られた。しかも、手続きをした覚えが無いにも関わらず、返済が滞っていた間は猶予制度を利用した事になっていて、もう猶予を利用できないと言われた(猶予制度は最長5年間まで)。

借りたものは返さなくてはいけないのでできれば返していきたい。月に小額だけでも返せないかと相談すると、どうやら延滞金から返済をしなくてはならないらしい延滞金を無くすまでは元本は減らないと言われた月に2000円ならなんとか返せるが、これだと減るどころか延滞金が増えていく一方だ。私の今の暮らしでは返済が難しく八方ふさがりだ。止まない督促の通知に困っている・・・」

 

【延滞金がつくデメリット】

 

実は、延滞金がついていると延滞金から返さなくてはいけないという決まりがある。

次のようなケースが実際にあったらしい。ある人が支援機構と相談して毎月少しずつ返していたところ、実は延滞金の支払いに充てられていて、しかも支払っていた金額よりもひと月の延滞金の増加が大きく、延滞金が膨れ上がってしまったというケースだ。

延滞金の返済に追われて奨学金の元本が返済が出来ないということは、おかしな話だが、実際に起こっているのだ。 

 

このように、延滞金がついてしまうと人によってはその解消にかなりのエネルギーを割かなくてはならないのが、延滞金の恐ろしいところだ。

 

では、返済が出来ずかつ延滞金も払えず、猶予も免除も出来ない人はどうなるのだろうか。

 

その人はそのまま行けば段階的に督促をされ、いずれは強制執行となる可能性が高い。読者の中に延滞金がついて困っている人が居たら、すぐに相談機関か弁護士に相談して欲しい。

奨学金返済の相談機関についての連絡先をリンクしておく

 

弁護士などが主体の奨学金対策全国会議 フェイスブックページ
https://www.facebook.com/syougakukin 

 NPO法人POSSE

http://www.npoposse.jp/syogakukin/index.html

 

近所で行なわれている無料の法律相談で弁護士と相談するのも手だ。

 


ところで、実は延滞金を免除する制度もある。しかし、この手続きを個人で行なうのは難しい。

もし延滞金の免除の要件を知りたい場合は、

「延滞金の減免に関する施行細則」

 http://www.jasso.go.jp/jigyoukeikaku/documents/saisoku_17_05.pdf

 

 

こちらをご覧ください。詳しく知りたい人は上の相談団体かこのブログにコメントをください。

 

 

【延滞は無関係?は油断】

忘れてはいけないのは、延滞は誰にでも起こりうるという事だ。

 

上で挙げたようなケースではなく、失職や病気などを理由に普通の人でもある日を境に返済が出来なくなる可能性はある(猶予制度の時にも取り上げた)。

 

本人が返済不能に陥ったところで、初めて保証人に延滞の通知が届く。驚いた保証人が本人と連絡を取ろうにも音信不通で繋がらず途方に暮れると言うケースは沢山ある事だろう。

 

ただし、この場合、猶予制度を使えば、延滞が始まった過去にまで遡って猶予を受けられる場合もある。

 

この辺は複雑なので、困っている人がいたらすぐに弁護士や相談団体に相談しよう。私に連絡をくれても構わない。最寄りの弁護士さんにすぐ繋げるように弁護士さんのネットワークに掛け合ってみる。

  

奨学金返済難民はどうすればよいのか】

 

この記事を通じて延滞金の怖さを分かって頂けただろうか。

 

くどいようだが、読者の中で返済に困っている人がいたらすぐに相談機関か法律家に相談しよう。

 

延滞金は奨学金問題をもっともややこしくしている原因なので、胸を張って相談して欲しい。知り合いに多額の延滞金がついて困っている人がいたら、その人にすぐに相談するよう声をかけて欲しい。

 

延滞金について奨学金返済難民や奨学金マニアに出来ることは、予防である。

正しい知識を持ち、相談機関を知り、延滞をしないように心がけよう。どうしても無理そうなら相談機関か法律家に相談しよう。決して一人で頑張っては駄目だ。あなたには数多くの仲間が居る事を忘れないで欲しい。

 

 新連載始めました(2014-11-19 更新)

 


【手続き】奨学金の猶予申請をしてみよう!ー準備編 - 奨学金返済難民のための基礎知識