奨学金の無利子枠拡大、5万人分 返済の猶予期間も延長
ちょっと載せるのが遅くなってしまいましたが、奨学金の運用が改善されるというニュース。ただし、吟味が必要。
改善のポイントは
①利子の無い奨学金を5万6千人分増やす(現在43万人)
②年収300万円以下の人が利用できる返済猶予の期間を5年から10年へ変更
③猶予制度を使える条件の緩和を「検討」
④延滞した時のペナルティである延滞金の利率が10%から5%にすることも「検討」
の4点です。
いいニュースであるには違いないですが、良さの程度がどれだけなのかを評価することが必要です。
①→利子つきの奨学金の利用者は103万人。利子つきの奨学金を借りざるを得ない学生が103万人いるなかで無利子奨学金を5万6千人分を増加させるだけで良いのか、どうなのか。
②、③→既に猶予制度を5年間使い切っている人が延滞問題のもっとも大変な層であるけれども、使い切った人達でも追加で5年間猶予されるのか、どうなのか。また、猶予期間を使い切ってもなお返済が苦しい場合はどうなるのか。猶予と合わせて免除の条件を軽くすることを検討しないのは妥当か、どうなのか。
④→5%になっても返したくても返せない人が減る訳ではない。返したくても返せない人と、返せるだけの財産は十分あるのに敢えて返さないでいる人とを一緒くたにして、一律に延滞金をかけることは妥当なのかどうなのか。
こうした点を検討すると、まだまだ改善もこれからが本番と言った状態です。このニュースが学費に不満をもつ人達のガス抜きにならず、むしろより多くの人が学費・奨学金問題に関心をよせるようになるニュースとして、社会へ広まることを期待します。